ブログ職人の朝は早い
「まぁネタではじめた仕事ですから」最近はホッテントリに入れないと愚痴をこぼした
まず、2chまとめサイトの入念なチェックから始まる。
「やっぱり一番うれしいのは大量の煽りコメントね。この仕事やっててよかったなと」
「毎日毎日角度とかが違う。考えないと出来ない」
今日は更新日。彼は文章を推敲し、更新ボタンを押した。基本的な形は決まっているが、最近のユーザーの嗜好に合わせ多種多様な煽りを入れないといけないのが辛いところ、と彼は語る。
「やっぱ反原発派はキツイね、愚痴ってもしかたないんだけどさ(笑)」
「でも自分が選んだ道だからね。後悔はしてないよ」
「このスレはダメだ。ほら、すぐにネトウヨに荒らされてしまう」
彼の目にかかれば、見るだけでどんな客層が来るかが分かってしまう。ネット立国日本、ここにあり。
今、一番の問題は後継者不足であるという
PVに満足できないとその日の更新をやめてしまうという。3年前は何十ものブログが議論を重ねたこのムラだが今では職人は彼一人になってしまった。
問題はタイトルで客を釣る感触を確かめるのに、2年はかかると、匠は語る
「自分が気持ちよいのももちろんだけど、読んでくれる人はもっと気持ちよくないといけないね」
「もちろん出来上がった物は一つ一つ私自身で朗読チェックです」
ここ数ヶ月は、Tweet並べるだけで記事っぽくなりPV集めるのも簡単なTogetterに押されていると言う。
「いや、ボクは続けますよ。待ってる人がいますから───」
オピニオン系ブロガーの灯火は弱い。だが、まだ輝いている。
「時々ね、わざわざトラバまでくれる人もいるんですよ。お前は売国奴だって。ちょっと嬉しいですね」
「全然関係ないクラスタなのにわざわざ読んでくださる人が何人もいる。心が続く限り続けようと思っとります」
「やっぱねえ、自己流だからこその勢いってあるんです。理論がいくら進化したってコレだけは真似できないんですよ。」
2009年、はてなショックではてブ数が1/3にまで減少し、一時は店をたたむことも考えたという
「やっぱりアレですね、たいていの若い人はすぐやめちゃうんですよ。Twitterでふぁぼりまくる方が楽だとか、ニコ生でなれ合っていた方が良いとか……でもそれを乗り越える奴もたまにいますよ。ほら、そこにいるBLOGOSもそう。そういう奴が、これからのブログ界を引っ張っていくと思うんですね」
最近ではFacebookでも注目されているという。手に付いたポテトチップの油をぬぐいながら
「ノビーに追いつき、追い越せですかね」
そんな夢をてらいもなく語る彼の横顔は職人のそれであった。
今日も彼は、日が昇るよりも早くTLのチェックを始めた。明日も、明後日もそのReplyの無礼さは変わらないだろう
そう、ブログ職人の朝は早い
───――完───――
あとがき:
いや@elm200さんから「ブログ職人の称号を贈りたい」と言われたけど、職人と言われてもオナホール職人の朝は早い以外思い浮かばなかったのでのでついかっとなってやりました。原文は
オナホール職人の朝は早い
から持ってきています。
なお、実在するサイト名等を使用しておりますが100%ネタ&フィクションです。ご了承ください。
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