例の尖閣諸島での衝突事故で、ついにビデオが漏洩され国民の知るところとなってしまい、しかも犯人が逮捕された。TwitterのTLは犯人擁護にかなり染まっていたようだ。しかし個人的にはそれも「愛国無罪」のたぐいでどうかと思ってしまう。

一方官房長官は当然のごとくご立腹。まあ普通に考えて「機密だ」と言っているのに下の奴が勝手にばらまいたらそりゃ腹も立つだろう。だからまあ普通に「厳罰を」となる。しかし本当にそれが唯一の選択肢だろうか?

まあそれで一つ思い浮かんだことがあったので軽い記事に。とりあえずニュースから官房長官の発言を引用しよう。

【尖閣ビデオ流出】英雄扱いするな-仙谷氏 流出で色なして批判

「逮捕された人が英雄になる、そんな風潮があっては絶対にいけない」

 

だからこそ、L.starは絶対にsengoku38に厳罰を処してはならないと主張する。海上保安庁の情報取り扱いの不備だったとか何とか言って適当に当人含む責任者の降格とか減俸とかそういうので済ませてしまって、大事にしてはならない。

なぜか?

厳罰を科したら科しただけ、彼を英雄にするからだ。それはすなわちキリストの十字架と同じく、国民の代わりにsengoku38が罰を受けたことになる。一見正しいが法に触れる行為をして罰せられるのは、英雄化へのテンプレートだ。

冷酷な話だと承知でするが、厳罰よりも英雄化に貢献するのは彼の死だ。獄中死など最高であるが、熱心な民主党支持者と見られる人に刺されるとかもいい。彼が受けた「罰」が衝撃的であればあるほど、世間は彼を英雄視するだろう。sengoku38が果たしてどれほど英雄に値する人物だったかは分からない。熱い愛国の人だったかもしれないし、ひょっとすると実は口だけの愉快犯だったのかもしれない。しかし、死んでしまえば彼の行動は全て美化され、愛国に殉じた理想の象徴になるだろう。

そうなってしまっては、賭けても良いが現政権は終わりだ。生ける仙谷由人は、死んだsengoku38には絶対に勝てない。

もちろん緩すぎる刑罰も「やっぱりsengoku38は正しかった」となるのでさじ加減が難しいが、民主党打倒の象徴になってしまうよりもはるかにましである。こういうのはムキになっては負けなのだ。彼を如何に笑い飛ばせるか、と言う点に民主党政権の器量が問われる。残念なことに今のところおよそ合格点からはほど遠いが・・・