■「日本の特異性」は世界に売れない
を読んでリフレーズの必要性を感じたので。
ガラパゴスについては実際いろいろな意見があるが、この際言っておいた方が良いと思う。ガラパゴスは無敵だ。もちろん、世界中で日本に勝てる国がない、と言う意味ではもちろん無い。誰も相手にしていない、と言う意味で無敵なのだ。あるいはシュレディンガーの猫になぞらえるなら、ガラパゴスな日本商品はまさに観測されていない状態にある。
在欧日本人の大半がこぞって絶賛するのはサランラップとかクレラップなど(商品名だが、ここでは類似品を含んで取り扱う。)である。欧州で売られているのは本当にしょぼいしろもので誰がどう見ても分かるだけの圧倒的な品質差がある。一度でもサランラップを使ったことがあったら絶対に使わない、というぐらいの。でもスーパーの品揃えを見る限り、殆どのヨーロッパ人は使っていないようである。サランラップの優秀さは欧州人には観測されていないのである。
あるいは日本の炊飯器を挙げてみよう。これはこの上なく優秀な機械なのは日本人のほぼ全員があたりまえのものだと考えていることから分かる。しかし日本式の炊飯文化のない国で受け入れられることはない。SUSHIがブームなのかRice Cookerというツールがこちらでも見受けられるのは確かだが、30年前日本で売られていたようなアジア製っぽいのばかりで、日本製のはまず見かけない。
ガラケーに至ってはもっとわかりやすい。キャリアとあまりにも密接に結びついているため、大半の欧米人にとって無価値なのは明白である。日本商品はたしかに高い技術力を持った王様かもしれない。しかし、この無敵の王様は裸だ。かつて売れた商品はそうではなかった。いま必要なのは、もう一度謙虚に自分たちが敵だと認めてもらえるように地味な努力を開始することである。
こんな状態でガラパゴスで何が悪いと開き直るのは、自分たちの価値を全部どぶに捨てている。この上なく愚かな行為だと思うんだが。
コメント
コメント一覧 (11)
日本人は、幼児的な万能感や誇大感ゆえに、傲慢で尊大です。
もし、自分の製品が海外で売れなければ、「俺たちは特殊な文化で育った特別な人間だから、普通の文化で育った外人にはこの製品の分かる訳がない。」と責任転嫁することができます。
日本人が産業をガラポガス化させるのは、海外と競争をしないことによって、自分たちの幼児的万能感を維持しようとしているからだと考えることができます。
elm200さんの記事に対するコメントは、自分に陶酔するための言い訳に見えます。彼らは、陶酔することによって、「日本が負けている」という現実から逃げたいのでしょう。
以下のリンクを参考程度に見てください。
なぜ日本人は幼児的なのか - 永井俊哉ドットコム
ttp://www.nagaitosiya.com/a/japanology.html
全能感を維持するために「なにもしない」人達 - シロクマの屑籠(汎適所属)
ttp://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20100119/p1
自己愛性人格障害 - Es Discovery
ttp://www5f.biglobe.ne.jp/~mind/griffin/narcissistic.html
日本文化はよく特殊だといわれますが、それは、日本人が他民族より精神的に未熟だから特殊に見えるだけということです。
日本人は、幼児的な万能感や誇大感ゆえに、傲慢で尊大です。
それまた幼稚な価値観ですね。日本の外から日本文化を眺めた人なら、ちゃんと特殊性に気付きます。
特定の日本人がそういう間違った価値観を持っていると認めるにやぶさかではありませんが、「日本人は」と言い切れるほど多数かというとかなり疑問です。
elm200さんの記事に対するコメントは、自分に陶酔するための言い訳に見えます。彼らは、陶酔することによって、「日本が負けている」という現実から逃げたいのでしょう。
良い線をついていますが、残念ながら「日本が負けている」という現実はないです。彼らの本質は「日本が凄い」と言うことに対して陶酔したいのであって、何かから目を背けているわけではありません。
たとえ日本が本当に凄くても同じように陶酔しているでしょう。典型的なジンゴイズムです。こういった人は、日本が本当に凄いときにはあまり目立ちません。凄いことをしているもっと謙虚な人が目立ちますから。
>残念ながら「日本が負けている」という現実はないです。
日本の敗北はすでに現実になっているではないですか。GDPは中国に追い越され、電機業界は韓国のサムスン電子やLGグループに追い抜かれています。それに、老人たちは自分の既得権益に必死になってしがみつき、若者は完全に無気力になっています。特に若者は「ゆとり教育」によって生み出された学力も体力も向上心もない劣等人材です。国際競争に勝てるわけがありません。おそれく、日本は、経済が崩壊してソマリア以下の失敗国家になるでしょう。
右肩下がりの平成時代に生まれた私から見ると、日本は冷戦や特需景気という単なる幸運で経済成長を遂げた成金国家にしか見えません。私は、日本に対する希望を捨てました。そして、海外に逃亡したいから英語を勉強しています。
あなたも、日本に失望したからオランダに移住したのでしょう?
あなたのその幼稚な極論はあなたの精神の裏返しです。
自分を肯定したいがためには、自分を否定した日本がとことんまで駄目にならないといけないということなのでしょうね。何人か見たことがあります。
日本の敗北はすでに現実になっているではないですか。
もはや栄えある世界一の経済大国ではない、と言う意味ではその通りです。しかし、たかだかその程度の脱落を「敗北」とはずいぶん大げさですね。
私は、日本に対する希望を捨てました。そして、海外に逃亡したいから英語を勉強しています。
そうですか。頑張ってください。
老婆心ながら忠告しますが、あなたが日本に生まれ育ったと言うことを否定することはできません。
だから、いつかもっとまじめな形で自分の中にある日本と向き合わないといけないでしょう。
あなたも、日本に失望したからオランダに移住したのでしょう?
もし本当に日本に失望してオランダに来たのなら、そもそもこんなエントリを書くと思いますか?
ちなみに私は在住者ですがまだ永住権資格を有していませんので、移住者とは到底言えません。
I think the original meaning of Schrödinger's kitty is different from the context you used. Schrödinger's cat is very difficult concept even for physicists, and its real meaning is still in debate. His main point is the duality of quantum physics of atoms and difficulty of its interpretation.
You can see it
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%81%AE%E7%8C%AB
Here is the original Schrödinger's idea translated in English. I think it worth while to read it.
"One can even set up quite ridiculous cases. A cat is penned up in a steel chamber, along with the following device (which must be secured against direct interference by the cat): in a Geiger counter, there is a tiny bit of radioactive substance, so small that perhaps in the course of the hour, one of the atoms decays, but also, with equal probability, perhaps none; if it happens, the counter tube discharges, and through a relay releases a hammer that shatters a small flask of hydrocyanic acid. If one has left this entire system to itself for an hour, one would say that the cat still lives if meanwhile no atom has decayed. The psi-function of the entire system would express this by having in it the living and dead cat (pardon the expression) mixed or smeared out in equal parts.
It is typical of these cases that an indeterminacy originally restricted to the atomic domain becomes transformed into macroscopic indeterminacy, which can then be resolved by direct observation. That prevents us from so naively accepting as valid a "blurred model" for representing reality. In itself, it would not embody anything unclear or contradictory. There is a difference between a shaky or out-of-focus photograph and a snapshot of clouds and fog banks."
今の若者にとっては、現代社会は搾取されるだけのあまりに酷い状態であることは事実でなわけで、それを若者ではない者が上から目線で意見しても交わることはないのでは。むしろ、若者たちにそのように感じさせてしまうような社会を形成してしまった側にこそ、反省を求めたいです。
私だって、日本がよくなってほしいと思っています。しかし、今の日本に希望が持てるのでしょうか。国債は1000兆円を超えてデフォルト寸前になっています。そして、前にも言ったように、老人たちは自分の既得権益に必死になってしがみつき、若者は完全に無気力になっています。若者たちに希望を持つ余裕なんてないのです。
若者たちは日本経済をいち早く停滞させるために、老人に対する復讐しています。
以下のリンクをご覧ください。
「若肉老食」の国 : 池田信夫 blog
ttp://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51496632.html
消える若者市場:日経ビジネスオンライン
ttp://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20101101/216899/
上記のやりとりを見て思ったのですが、生きてきた時代背景があまりに違いすぎるため意見がぶつかっているように思います
時代背景と言うより経験の差でしょう。私とて日本を手放しで肯定するつもりはありませんが、しかしちゃんと良いところがあるのもよく知っています。
むしろ、若者たちにそのように感じさせてしまうような社会を形成してしまった側にこそ、反省を求めたいです。
反省などというものは日本を良くするためには全く役に立ちませんよ。むしろ全部棚上げにしてみんながよくする努力する方がずっと必要でしょう。
(Okazooさん)
私だって、日本がよくなってほしいと思っています。しかし、今の日本に希望が持てるのでしょうか。
世界を正しく見れば、どの国も青息吐息で、へたをすると日本の方がまともに見えることもしばしばですよ。例えばギリシャ問題で分裂の危機まで垣間見たEUに比べると、日本経済はまだまだずいぶんましと言えます。
もしあなたが本当に外国語を習って日本を出て行きたいなら、そのときに必ず目にする現実です。海外は理想でも何でもない、我々と違う問題を抱えているだけなんですよ。
日本に希望がないと断ずるのは、それを全部見たあとでもできることです。
そして最後に言うと、希望はそこにあるものじゃありません。自分で作るものです。
I apologies for this mis-leading use. I know it is not exact but I used it as a Schrödinger’s cat in Sci-Fi novel :)
>希望はそこにあるものじゃありません。自分で作るものです。
確かに、そうですね。もう、国や会社に甘える時代ではありませんから。
日本社会の閉塞感の原因も、国民が「大きな政府」を求めるのも、甘えの欲求を満たすために自分の不幸を訴えている人が多いからでしょう。私のコメントも、意見ではなく、世間に対するわがままだということに気づきました。
私は海外だけではなく、あなたが下の記事でおっしゃっていた欧米流ジョブホッパーにも憧れています。社会人になるのに備えて、業界を伺いながら教養を身に着けています。
日本を出て行けなくても現状を打破したい若者に贈る6つのアドバイス
http://www.nonsensecorner.com/wp25/?p=4345
私のコメントも、意見ではなく、世間に対するわがままだということに気づきました。
気付いていただけたようで良かったです。もしあなたが本当に海外に出て頑張りたいなら、そういうわがままは全部捨て去れるぐらい自分に厳しくならなければなりませんから。
社会人になるのに備えて、業界を伺いながら教養を身に着けています。
頑張ってください。それが今後のあなたに一番必要なものです。