最近のうちの周りのブログ、排外主義がテーマである。
不景気だからこその移民政策のススメのコメント欄から始まって移民もまた人間であるそして日本人が本当に大嫌いなのは「異質な人々」まで飛び火している。実はあなたの国際人レベルはどのくらい?も元々はそこをテーマにしている。
ところでこういう排外主義が日本特有かというと、そうではない。排外主義は世界的には珍しいものでも何でもなく、反イスラムという形でならオランダ自由党PVVをはじめごまんといる。アメリカで最近話題のティーパーティーもそうである。最近東欧では反ユダヤが流行りだそうで又恐ろしい話である。そうでなくても、民族ジョークには差別ぎりぎりのやばいものまである。
さらに誤解しないように付け加えないといけないのは、排外主義は確かに勢いがあるが、いまだ非主流ということだ。例えば欧州では。オランダのPVVは先の総選挙で24議席を取って躍進して大きく注目された。しかし、与党に食い込めるか怪しい状況である。ハンガリーでは第二党を取ったという話は聞いている。しかし、ドイツ・フランスなどの主要な国では、そこまでではない。
前回のエントリでは国際人としての分類分けをしたが、レベル2、つまりグローバルで活躍することを選ぶと、グローバルが速いペースでの進化を要求するため、どうしても保守的な排外主義者とは対立してしまうことになる。もうそれは運命である。しかもグローバルの世界は圧倒的な強さでこちらを追い詰めてくる。前線にいる国際人としては、前門の「文明」後門の「排外」、とでも言いたくなる状況に追い込まれてしまう。せっかく日本のために戦っているのにこれでは報われない。
でもあきらめずに頑張るしかない。グローバルとの戦いに簡単な解答などないように、排外主義との戦いに簡単な答えなどない。
L.starにとっての排外主義との戦いはオランダに住んでいるからこそ思う、外国人参政権論を考えてみた前後あたりがスタートである。そのときは外国人参政権と絡めて知的移民の必要性について論じたが、ネタがネタなのもあってまあよく荒れた。しかしその1年後に書かれた、参政権のさの字もないLilacさんやelm200さんのエントリのコメントを見る限り、何一つ進歩がないように感じられることに愕然とする。
ただ、個人的に排外主義者のコメントにはうんざりするが、それでも彼ら自身を嫌いになることは難しい。と言うのも彼らのコメントには、自信のなさがはっきり見えるからだ。「差別と外国人が嫌いです」とでも言わんばかりの相手に対するステレオタイプ的蔑視、ノー・トレランスに近いリスク回避傾向、マスコミや政府などの他者への転嫁。
全て自信が無い人の行動である。与えられた要求に最適化したゆとり世代や、ただただ自分たちの目の前に忠実な官僚を責められないように、やっぱり排外主義者も責める気にはなれない(とかいいつつ暴言コメントは吐くけど)
自信が無い人は答えとして別の何かにその源を求める。しかしそれは間違いである。残念じゃない日本ってどんなのか、考えたことがありますか? - みんな、自分に自信を持とうでも考察したが、自信は結果より先に醸成されるべきものであり、それを生み出す機構に欠けているのが日本における精神的な問題であるのだ。
だから排外主義者の人たちには、今一度自分と日本文化とのあり方をしっかり考えてほしい、と思うのである。あなたの信じている日本という国の、地方の、文化の与えてくれる自信は本当は幻想に過ぎず、自分の中に最初からあるものだと言うことに気付いてほしい。日本が素晴らしいから日本文化が素晴らしく、それに属するあなたも素晴らしいというのは間違いだ。あなたが素晴らしいから、それを要する日本文化も日本も素晴らしいのだ、と言うことに気付いてほしい。
ここで言いたいのは「日本を愛するのは駄目」というのではないことにも注意してほしい。何を愛するのも何を嫌うのも個人の自由だ。ただ順番がある、あなたがあって、世界がある。それが唯一の正しい解答だから。そしてその上で日本を好きというのは何一つ問題ない。
そして、日本が好きなのだから、「日本が何をしてくれるか」ではなく「日本に何をしてあげられるか」を真剣に考えてほしい。日本が素晴らしくあるためには、その構成員全員のたゆまぬ努力が本当に必要なのだ。誰かの揚げ足を取るのは辞めて、自分が進んで日本のために何かをまずしてほしい。敵は世界だ、と言うことを改めて認識してほしい。そのためには、日本の中で争っている余地など本当はないのだから。
最後に、たとえ排外であれ国際的であれ、ノー・トレラントは拒否したい。我々の世界は常に問題だらけで、メリットを信じながら一つ一つ問題をつぶして、それでやっと少しづつ進歩するようなことの連続である。いつも成功より失敗の方がずっと多いのである。そこで「失敗するかもしれないからチャレンジしない」などという甘えた考えは、現実を見ないきれい事にすぎない。
プログラマの間では、こんなジョークが知られている。
「バグのないプログラムの書き方?そんなの簡単だよ。1行も書かなければいい」
我々の世界をシステム開発にたとえるなら、常にバグと戦いながら少しづつ改善していくプロセスなのである。よくするためには、悪くなる可能性があるのを分かってでもコードを書かなければいけないのだ。それを怠ったとき、システムは死ぬ。日本を殺したくないなら、良くも悪くも挑戦あるのみなのだ。
不景気だからこその移民政策のススメのコメント欄から始まって移民もまた人間であるそして日本人が本当に大嫌いなのは「異質な人々」まで飛び火している。実はあなたの国際人レベルはどのくらい?も元々はそこをテーマにしている。
ところでこういう排外主義が日本特有かというと、そうではない。排外主義は世界的には珍しいものでも何でもなく、反イスラムという形でならオランダ自由党PVVをはじめごまんといる。アメリカで最近話題のティーパーティーもそうである。最近東欧では反ユダヤが流行りだそうで又恐ろしい話である。そうでなくても、民族ジョークには差別ぎりぎりのやばいものまである。
さらに誤解しないように付け加えないといけないのは、排外主義は確かに勢いがあるが、いまだ非主流ということだ。例えば欧州では。オランダのPVVは先の総選挙で24議席を取って躍進して大きく注目された。しかし、与党に食い込めるか怪しい状況である。ハンガリーでは第二党を取ったという話は聞いている。しかし、ドイツ・フランスなどの主要な国では、そこまでではない。
前回のエントリでは国際人としての分類分けをしたが、レベル2、つまりグローバルで活躍することを選ぶと、グローバルが速いペースでの進化を要求するため、どうしても保守的な排外主義者とは対立してしまうことになる。もうそれは運命である。しかもグローバルの世界は圧倒的な強さでこちらを追い詰めてくる。前線にいる国際人としては、前門の「文明」後門の「排外」、とでも言いたくなる状況に追い込まれてしまう。せっかく日本のために戦っているのにこれでは報われない。
でもあきらめずに頑張るしかない。グローバルとの戦いに簡単な解答などないように、排外主義との戦いに簡単な答えなどない。
L.starにとっての排外主義との戦いはオランダに住んでいるからこそ思う、外国人参政権論を考えてみた前後あたりがスタートである。そのときは外国人参政権と絡めて知的移民の必要性について論じたが、ネタがネタなのもあってまあよく荒れた。しかしその1年後に書かれた、参政権のさの字もないLilacさんやelm200さんのエントリのコメントを見る限り、何一つ進歩がないように感じられることに愕然とする。
ただ、個人的に排外主義者のコメントにはうんざりするが、それでも彼ら自身を嫌いになることは難しい。と言うのも彼らのコメントには、自信のなさがはっきり見えるからだ。「差別と外国人が嫌いです」とでも言わんばかりの相手に対するステレオタイプ的蔑視、ノー・トレランスに近いリスク回避傾向、マスコミや政府などの他者への転嫁。
全て自信が無い人の行動である。与えられた要求に最適化したゆとり世代や、ただただ自分たちの目の前に忠実な官僚を責められないように、やっぱり排外主義者も責める気にはなれない(とかいいつつ暴言コメントは吐くけど)
自信が無い人は答えとして別の何かにその源を求める。しかしそれは間違いである。残念じゃない日本ってどんなのか、考えたことがありますか? - みんな、自分に自信を持とうでも考察したが、自信は結果より先に醸成されるべきものであり、それを生み出す機構に欠けているのが日本における精神的な問題であるのだ。
だから排外主義者の人たちには、今一度自分と日本文化とのあり方をしっかり考えてほしい、と思うのである。あなたの信じている日本という国の、地方の、文化の与えてくれる自信は本当は幻想に過ぎず、自分の中に最初からあるものだと言うことに気付いてほしい。日本が素晴らしいから日本文化が素晴らしく、それに属するあなたも素晴らしいというのは間違いだ。あなたが素晴らしいから、それを要する日本文化も日本も素晴らしいのだ、と言うことに気付いてほしい。
ここで言いたいのは「日本を愛するのは駄目」というのではないことにも注意してほしい。何を愛するのも何を嫌うのも個人の自由だ。ただ順番がある、あなたがあって、世界がある。それが唯一の正しい解答だから。そしてその上で日本を好きというのは何一つ問題ない。
そして、日本が好きなのだから、「日本が何をしてくれるか」ではなく「日本に何をしてあげられるか」を真剣に考えてほしい。日本が素晴らしくあるためには、その構成員全員のたゆまぬ努力が本当に必要なのだ。誰かの揚げ足を取るのは辞めて、自分が進んで日本のために何かをまずしてほしい。敵は世界だ、と言うことを改めて認識してほしい。そのためには、日本の中で争っている余地など本当はないのだから。
最後に、たとえ排外であれ国際的であれ、ノー・トレラントは拒否したい。我々の世界は常に問題だらけで、メリットを信じながら一つ一つ問題をつぶして、それでやっと少しづつ進歩するようなことの連続である。いつも成功より失敗の方がずっと多いのである。そこで「失敗するかもしれないからチャレンジしない」などという甘えた考えは、現実を見ないきれい事にすぎない。
プログラマの間では、こんなジョークが知られている。
「バグのないプログラムの書き方?そんなの簡単だよ。1行も書かなければいい」
我々の世界をシステム開発にたとえるなら、常にバグと戦いながら少しづつ改善していくプロセスなのである。よくするためには、悪くなる可能性があるのを分かってでもコードを書かなければいけないのだ。それを怠ったとき、システムは死ぬ。日本を殺したくないなら、良くも悪くも挑戦あるのみなのだ。
コメント
コメント一覧 (8)
之は、人工衛星のfly−byと同じです。良い衛星は他の木星などを利用して加速する事も出来ますが、馬鹿な人工衛星は、木星に衝突するだけです。
所で、次の様なことが他の場所で議論されてました。おそらく彼は、まともにここに書かれてる事を読まなかったのでしょう。
http://mesetudesenfrance.blogspot.com/
”不景気だからこその移民政策のススメ - My Life After MIT Sloan 不景気だからこその移民政策のススメ - My Life After MIT Sloan
日本人が本当に大嫌いなのは 「異質な人々」 - 狐の王国 日本人が本当に大嫌いなのは「異質な人々」 - 狐の王国
移民もまた人間である - Rails で行こう! 移民もまた人間である - Rails で行こう!
独り言v6 » 国際人たちに聞いてほしいこと。そして排外主義者の人たちにもっと聞いてほしいこと。 独り言v6 » 国際人たちに聞いてほしいこと。そして排外主義者の人たちにもっと聞いてほしいこと。
以上のエントリは移民に賛成な方々の意見なのですが、乱暴にまとめさせていただくと不景気で産業競争力を失った日本を外国人の力で何とかしてもらおうという意見です。これは本当に浅はかな意見だと思いました。外国人は日本の景気を良くするために来るわけでもなく、産業競争力を立て直すために来るわけでもありません。おそらくそういった効果はあるでしょうが、そもそも外国由来の人達が日本人になっていくという永続的な変化を論じるのに、20〜30年で変動する景気や産業競争力を関連させることがナンセンスです。"
では。
国の分裂が主な政治課題であるうちは、ベルギーの将来は限られています。オランダとベルギーの違いを研究をしたら、何を国策にしたら良いか見えてくるでしょう。
>まともな政策が無い地域は寂れていき、変化や状況に対応できる地域は、変化を推進力に変える事により繁栄する。
之は、人工衛星のfly−byと同じです。良い衛星は他の木星などを利用して加速する事も出来ますが、馬鹿な人工衛星は、木星に衝突するだけです
卓越した意見ですね。むしろ私のエントリより面白い。
ブログによると今はアントワープ在住とおみかけしますが、拙宅からせいぜい150kmぐらいですから、一度お会いしてこういう話題で飲み明かしたいぐらいです。
所で、次の様なことが他の場所で議論されてました。おそらく彼は、まともにここに書かれてる事を読まなかったのでしょう。
読みました。実はみんな言いたいことは同じなんですよね。いかにして移民を嫌う人に移民政策というものを納得してもらうか、という命題に対する答えですから。
@Sophie525さんとはあとでTwitterで話をします。
Yes, I really do not think you and Sophie525 have fundamental difference.
About immigration, I found interesting youtube video. It is not directly related to immigration but it is a much more fundamental question about a nation and its people that make immigration possible: Immigration is a movement of people from one country to another and if we have clear understanding of the definition of a nation and people then we can better define immigration. You might think defining them are simple but in a country of many immigrants then their definition become very complex.
Please just check this video when you have time. This is not a radical video but an extremely entertaining video. It talks about Jews but it can apply to any other nations.
Shlomo Sand: Challenging notions of a Jewish People
http://www.youtube.com/watch?v=1EmvANgw9Mk
It would be great if we meet in November. But I may be very busy. I'll contact to you if I could have a chance to meet you.
Immigration is a movement of people from one country to another and if we have clear understanding of the definition of a nation and people then we can better define immigration. You might think defining them are simple but in a country of many immigrants then their definition become very complex.
It is nearly impossible to define the nation. I saw many Japanese chauvinists consider that it is same as a nationality, but I couldn't believe. As you may know it is just a "Imagined Communities". I' think that we Japanese are losing this imagination. Therefore I have been seeking a word to define it for 1 year. It may prove that I'm kidding...
Thanks for this youtube video. It looks like very interesting.
I can mention you some matters of what immigrated Koreans had done in postwar period, as lots of violently and illegal troubles they had committed.
Since those traces have still affected bad against mostly Japanese mental, we will never meet a consensus to receive immigration.
We haven't had matured nationalism which maintains our rights properly and then globalism, it's not yet prior to make it happen the immigration.
I couldn't understand why so many English comments are coming in. It is just a small Japanese blog.
Our history of immigration reminds us how Japan have met situations that can be anxious a future of the nation from a view of nationalism.
I'm afraid but are you really sure that you talk about nationalism? For me it looks like jingoism. Or maybe you meant self-determination.
If you say "nation" from a view of nationalism, it is "Imagined Communities" as Benedikt Anderson figured out. I'm asking you what kind of nation we should imagine.
I can mention you some matters of what immigrated Koreans had done in postwar period, as lots of violently and illegal troubles they had committed.
Hmm... I saw that many chauvinists said so. And they ignore what kind of good things immigrated Koreans did. I agree that we don't need to have a relationship with bad immigrants like bandits. But do you know how to make a good relationship with a good immigrant? I couldn't believe if you'll say "Yes, of course"...
こちらを参考にしてください。
プロレタリア型右翼 - 永井俊哉ドットコム
http://www.nagaitosiya.com/a/right_wing.html
ところで、あなたのブログのコメント欄は、htmlのタグが使えますか。
面白いURLですね。未読でしたが、ここに書かれているようなことはだいたい理解しているつもりです。そういう意味で、私は単純左翼も嫌いです。
ところで、あなたのブログのコメント欄は、htmlのタグが使えますか。
これは標準的なWordpressの標準設定ですが、たぶん使えなかったと思います。
そういうプラグインもありますが、導入予定はありません、