10万人規模の政治家を擁するインターネット国会を実現する - 狐の王国.

ネットさえあれば多数の政治家が集うことができ、それによって今まで実現しなかった直接民主制がついに目の前に、というのは良く言われる話である。極端な話日本で1000万人クラスまでスケールアップさせることが可能である。
できない理由は聞きたくない。時間の無駄だ。

全くその通りなので、やるべきではない理由だけをあげよう。こいつは如何にして合意に至るか、というのを明示できない限り、駄目だ。

それがない以上、この10万人インターネット国会と言うのは、日本という船を富士山の頂上に持って行くだろう。もうちょっと言い換えると、これはネット直接民主主義ではない。ネット衆愚制だ。
これくらい本気で政治を変え、経済を変え、日本という国を改革しなければ・・・

変えるというのであれば、本当に必要なのは多様な意見ではない。1つの新しい合意なのだ。多数の人間が関わるというのは、それだけで膨大なコストがかかるものである。その上で1つの合意を形成するなどというのは至難の業である。歩みがのろのろとして仕方がない、とまで言い切ってもいいだろう。このスピードの速いネットの時代にはマッチしない。

スピードを速める方法は唯一、決断者を少なくすること、つまり一人にすることだ。独裁者の悪い面は良く強調されるが、独裁制の生み出すスピードとダイナミズムこそ、今の時代を作っている。Linuxを見よ。Linusの独裁じゃないか。そして優良な大企業の多くも有能な経営者による独裁同然である。

今苦しんでいる我々に必要なのは安定では無く、むしろ不安定であってもスピードとパワーによる変化である。であれば独裁か、それに近いぐらい強権が発揮できる制度が必要である。となるとむしろ必要なのは10万人より1人ではなかろうか。むろんネット独裁者の下部組織として、10万人のネット議会はあっていいものかもしれないが。

むろんこちらは独裁の最大の欠点でもある、独裁者が間違った決断を下す問題を何とかしないといけない。しかしそれでも、今の混乱した時代なら、独裁による一貫した変化のほうが受け入れられると思うのだが。