【第59回】会社を辞める人って、似たようなタイプじゃありませんか?:日経ビジネスオンライン.

「話せば分かる」 - 五・一五事件決起者たち

ロバート・アスプリンのような出だしでスタートしてみたかったので、反論してみた。

この文章では、筆者が一生懸命「辞める人のタイプとは」と言うことについて解き明かそうとしているが、出ている結論が滑稽で仕方がない。なぜなら、この文章における類型は「辞める人のタイプ」ではなく「辞めなかった人から見た辞めた人のタイプ」だからだ。

この2者は似ているようで大きく違う。今回書かれている内容は単なる「自分たちの外部にいて排除し/された人が、自分たちからどう見えたか」である。だから、辞めた人からみた辞めなかった人は同じような感想を抱いて不思議でもないし、いじめっこといじめられっこですら同様の関係があるだろう。そういう致命的な結論ミスから全てがスタートしているため、入力がゴミなら出力もゴミ、のルールに従ってこの記事はゴミである。

いや確かにコミュニケーションが苦手な人は辞めやすいかもしれないが、それは単なる一因だし、その場合、うまくコミュニケーションが取れなかった辞めなかった人たちにも問題があるのではないのか。

そもそも、個人的にはあらゆる人がコミュニケーション可能という一種の幻想は嘘だと思っている。特定の人は別のジャンルの人と意見が合わないのはよくあることである。だから、「自分とコミュニケーション可能な人を探す」というのは現実問題としてありだと思っている。

まあそれは置いておくとして、「辞めやすい人のタイプ」とは「どういう理由でコミュニケーションがずれるのか」というところに焦点を置くべきだろう。例えば会社の不正が嫌で辞めていくのまで、コミュニケーション不足と言い切るのは無理があるのではないか。L.starは「社内の悪ぐらい、飲み込んで仕事するのが会社員だ」と言われたことがある。それができない人が辞めていくのだろう。そう言う話を突き詰めていくなら、自発的に辞める人のタイプというのは以下のような感じになるのではないかと思われる。

  • 何もかもにつかれた鬱病/メンヘルタイプ

  • 結局のところ集団生活に向かない一匹狼タイプ

  • よりよい環境を求める野心家タイプ

  • 会社のささいなこと(不法行為とか)に我慢が出来ない潔癖性タイプ


このタイプ分けは単なる思いつきで集計したので裏付けがあるわけではないが。この筆者は、自身でサラリーマン経験もあり、多彩な取材経験もあり、フリーもやっていると言うことだから、(自身の例もふまえて)こういう類型を知らないはずはないと思うのだが。

ただこの記事について言えるのは、結局単なる他者攻撃の発現にしかなってないので、辞める人か辞めてない人か、どちらに共感するかによって意見が割れ、荒れるだろうね。実際コメントもはてブも荒れているようだし。