よく分からない理由で前回のエントリ

今回の危機の発端は、金融ではなくインターネットと言ってみる。


が非常に好評だったので続けてみる。最初に必要なのは、眠くて推敲が出来なかった後半の拾い直しから。

まず、金融はあくまで自動的に暴走するものであり、金融危機がネットのせいで起こるわけでは無論無い。いや、もしそうだったらNIFTYやASCII-NETのせいで悲惨な生活を味わった、ということになってしまうので、そんな寝言のような主張は避けたい。

今回の危機は「インターネットが発生してから最初の全世界規模の危機である」というのがポイントであろう。インターネットの発展は、残念ながらあらゆるレベルのグローバル化を推進したのではない。いや、たぶん推進したのだろうが、それにしても分野ごとに大きな差がある。一番大きいのは個人レベルのコミュニケーションだが、経済についても株取引やネットバンキング、FXなどによりずいぶん助けたのではないかと思っている。

一番小さかったのは「政治」であろう。結局、インターネットは今のところ政治をまったく変えていない。いや、国内政治は変えたかもしれないが、国際政治は変えなかった。

現在の経済が非常に混乱している理由は(知り合いの受け売りだが)、なんといっても実際の経済単位と政治的な経済単位に差がありすぎることにある。ありすぎるため、抜け道を使って相当儲けることが可能であった。このような100%合法的であるにもかかわらず犯罪に等しい行為について、旧来のやり方であればざっくり政治レベルで規制することになる。しかし、これが世界レベルで展開されると、足並みを合わせた規制が必要になるため、非常に難しくなる。

やや話が脱線するが、例えば空売りが「これは100%合法な、確立されたテクニックであって卑怯ではない」と経済人に言われるのは個人的に理解できない。いやもちろんテクニックなのだが、テクニックは合法であるから認められるのではなく、もっと政治的レベルで認められるかどうかで決められるべきではないか。もちろん時には違法となることもあり、合法になることもあろう。その点を一切加味せず「これは経済学的に正しい」と思考停止するのは、法を利用して私利私欲に走る、ローフル・イービル的悪人のありかたではないか。なぜそれを正そうとしないのだろう。

いや完全に脱線しているので話を戻すが、つまり、経済はグローバル化したが、政治が追いついていない状況で暴走したのが今の危機を説明できる状況だと思っている。そして、インターネットは経済のグローバル化を強く助長した反面、政治のグローバル化には役立たなかった。まあこれが一つの問題だろう。

もう一つの問題点は、インターネットが革命的なコミュニケーションを我々にもたらしていることにある。裏付けることはもちろん出来ないが、たぶん今までの強い規制に向かう方向で、今回の危機は収束できないだろう。P2PにしろWWWにしろ、インターネットは従来概念の規制をすべて台無しにする強さを持っている。そしてなにより今度の規制のためには政治をグローバル化する必要がある。個人的に「今回の危機に立ち向かうためには、全員が足並みをそろえる必要がある」と何度か書いたことがあるが、それを言い換えればグローバルな視野での規制が必要ということか。

では、政治のグローバル化のために必要なこと、必要でないことは何なのだろうか?イデオロギー ・民族主義 のような20世紀に猛威をふるった理想論的なものがもう求心力になりうることは暫く無いと思う。それはマスコミュニケーションの衰退が原因である。画一化したメッセージを届けられないとすれば、単純なキーワードだけではもう合意を得られないということにある。

さらなる統制か、分散かというのもトピックだと思うが、これはどっちに向くか正直分からない。しかし一つの可能性としては、現在の経済を包括支配できるような、2階層式になるのではないか。今回の70年ぐらいでできあがった企業統制経済は、企業が膨れあがるに従い統率力を失いつつある。現在の経営技術では、数万人の企業を的確に支えることが出来ないのであろう。そこだけを考えれば、統率可能なサイズまでの縮小は必須であると思う。ただし、縮小のためには多大な痛みを伴う。

政治形態は分からない。これまた個人的に考えたのだが、米国式資本主義も、日本式企業封建社会も、ソビエト式共産主義もファシズムも、すべて統制経済を牽引するための道具に過ぎなかったのではないかと言うことだ。つまり、全体の合意形成とその推進が出来れば、後は何でも良かった。今回も同じで、経済システムを肯定できるなら、政治形態なんてなんでもいいのではないか。ただ、インターネットの動きというのはなんとなく、新しい政治形態の模索と重なってくる。ポータルは独裁的だし、ブロガーは人気投票による寡頭制である。検索エンジンは意外にも民主主義か?

というところでまた寝る時間がやってきた。またとりとめのない文章をつらつらと書いてしまったが、今回は何とか力尽きずに書くべきトピックは書けた。簡単にまとめをかいつまむと

  • 20世紀は統制により世界が強化された時代であった。

  • その末期に、インターネットなる仕組みが現れ、世界を席巻した。

  • インターネットは今までの統制システムとはずいぶん相容れないため、変化が生じた

  • で、今回の危機をインターネットが引き金が引いた

  • 問題はグローバル化の進展に差があったこと、インターネットがそれを助長したこと

  • 未来のシステムは、グローバル化に適応してなければならないなぁ


と言うところで結局未来のシステムに関する考察は次回と言うことだろうか。まあ気が向いたら、ということで。