舛添都知事、粘りに粘るもついに辞任ですか。参院選への影響を考えると、都議会与党である自民公明も、これ以上引っ張っておけない、ということでしょう。全体としてやむを得ない判断といえます。

とはいえ個人的な意見として、都知事選をもう一度行い人を入れ替えるわけで、それによって発生する選挙費用含めデメリットは相応に大きいといえます。舛添氏のやったことが、果たしてそれに値する巨悪かというと、甚だ疑問ではあります。まだまだ叩けば都知事と周辺にはホコリがたくさんあるのではないでしょうか。猪瀬元都知事も、どうやら以前からそういうのはあったことをほのめかしています。

猪瀬氏スイート使用「それはいいのよ」


現在すでにサンドバック状態の氏ではありますが、いっそ乾いた雑巾までなっていただいて、更に絞られる役に回っていただければよかったのに、と思わないでもありません。変えようのない参院選ではありますが、選挙のタイミングが良くないな、と感じます。

え?今まで黙ってて、辞任が決まった頃言うなよ?とんでもない、これを言い始めるのは今が最大の好機なのですよ。

都知事問題は、実際多数の「不適切」があったとはいえ、これといった違法行為が明瞭にあったわけではありません。実際、ここまでの話で有罪になるかといわれると、微妙なところでしょう。その状態がここまで大きくなったのは、ひとえに市民感情の悪化であり、その火に油を注いだマスメディアの枠割が大きかったと言えましょう。

炎のように広がった感情の勢いを止めるのは、常に難しい。これは一つの真理です。対するには、感情が最高潮に達する瞬間を見極め、それを持って反攻に移るのが一番いいのです。この場合はつまり、辞任の瞬間であります。

BLOGOSを見ると、以下の記事が見事にワンツーになってます。内容が論評に値するかはともかくとしても、時宜を得ていると評価できます。

舛添都知事をギロチンにかけよと熱狂する民衆

セコい都知事を攻撃したのは、もっとセコい高齢者だったんじゃないか。

その最高潮に至るまでは、耐えておけばいいのでしょうか?とんでもありません、むしろ火に油を注ぐのを手伝うぐらいがちょうどいいのです。むしろ最高潮までの道を早め、その中に過激な行動をいくつも散りばめさせましょう。反攻に移った瞬間、それらは良い攻撃目標に早変わりします。桝添を倒し、返す刀でアンチ舛添を叩き切る。理想的な展開です。

なのでしばらく、辞任に追い込んだ世論とマスコミに対してはしばらく「衆愚的だ」などという意見が非常に目立って見られることでしょう。が、それ以前にどのような意見を配信していたかきっちりチェックしましょう。見事なタイミングで意見を変えている人がいたら、それは貴方を貶め、かつ攻撃しようとしていた敵なのです。

というわけで、都知事辞任劇をネタにちょっとした戦略論についてかいてみました。昔の人はこういう時にいい言葉を残しています。

「勝って兜の緒を締めよ」

勝った瞬間こそ、一番危険なのです。

しかし戦略といえば、一連の自分で油を注ぐかのごときまずい対応を見ていると正直なところ「マスゴミが叩いたというより自爆した。弁護不能」「危機対応がズダボロ、知事の器ではない。変えたほうがいい」と考えたくなったのも事実です。まあ起こってしまったものは覆水盆に返らずですから、次の都知事を選ぶ際には同じ轍を踏むことのないよう、しっかり考えて投票したいものです。