2009年08月

先のエントリ

オランダに住んでいるからこそ思う、外国人参政権論を考えてみた


に関連して、最近「オランダ 外国人参政権」でググってきている人が増えている。実際に調べてみると8/31時点で20番目ぐらいにいる。ただ、出てくるもののほとんどは、前回のエントリで指摘したようなL.starの住んだことのないオランダの話のようで、きっとオランダ領アンティルか(いや、そういうのもアンティルの人に失礼だが)SFばりばりの平行世界の一つか何かなのだろう。あんな話は全くのナンセンスで、オランダがやっているから外国人参政権賛成というたわごとぐらい短絡的である。実際のオランダ人は、移民とオランダ人とのバランスを一生懸命とろうとがんばっているのが大半である(それでも、イスラム系移民は評判が悪いが:))

しかし、このエントリは、はてぶとかがついているわけではないが、日本人と話をしていると、結構理解してくれない人が多い。だいたいパターンは同じで、曰く「民主党は売国」だの「国籍は必須。取らないやつがおかしい」だの「海外は海外、日本は日本」だの「相手が与えようとしない特権を日本人が与える義理はない」、とかである。L.starの言いたいことの本質は「国際化社会における日本の競争力の維持のために必要なことの一環」な訳でである。それを一生懸命理解してもらおうとするのだが、どうしてか皆さんもっと手前な部分、売国という単語で一生懸命思考停止する。

ちなみに、オランダは昔から海洋国家であり輸出入が社会の重要な部分を担っており、国際的競争のためには外部からの優秀な人材も必須であることをよくわかっている。だから、彼らは「外国人参政権によって国家の危機を迎えている」と日本人から(勝手に)言われている状況でさえ、高学歴外国人の誘致には熱心である(参考URL)(L.starが外国人参政権の話をするときは「優秀な外国人を集めるためにも」とつけているが、むろんスルーされる)

で、日本人がなんでそこに行き着くのかはだいたい予想ができる。日本人の分だけでも足りないのに、外国人に与える義理はない。世界をゼロサムゲーム、あるいはマイナスサムゲームととらえれば全くその通りだ。かつての高度成長ゲームは様々な理由が重なり合って終了し、その付けが大量に残ってしまった今をノンゼロサムゲームと位置づけることは馬鹿である。そしてそんな中、自分の利益を維持するのは、だれにとっても絶対である。例えば国際感覚を身につけつつあるL.starにとっては、逆に日本が国際的になることは利益になる:)

しかし、いつまでたっても日本国内の権益保護の話ばかりなので、だんだんそういう話をするのが馬鹿馬鹿しくなってきた。実際、国際化する社会のなかで、今でも日本製品の輸出は重要な部分を担ってきているし、影響をと利益をもたらしつつある。まだまだ勝算はいくらでもあるはずなのだ。それは欧州にいると、いやほかの外国在住者もしばしば指摘するところなのだ。にもかかわらず、目の前の利益を捨てて、国内だけで守りに入るとかとか、何を考えているのかと思ってしまう。が、彼らは彼らで彼らの視点から見ると正しいことをしているだけだし、世界における日本の位置づけをちゃんと話そうとしてもなかなかうまく伝わらない。もういい加減だめだから説明するのはやめよう、と思ったところでふと思いついた。

いっそのこと、民主党に本当に売国外国人参政権法案通させればいいいんじゃない?いやL.starも民主党がしがらみなく無茶ができる(しかしまあ、それはものすごいメリットである。少なくとも自民党政権はいろいろがんじがらめで、それなりに有能な麻生をもってしてもどうにもならなかった、と言う印象がある)以外いいところのない政党だというのはわかっているし、彼らの言う外国人参政権はL.starの言うそれとは大きく異なっている(まあこれも問題である。なぜなら、L.starがどれだけ国際的な視点を語っても、彼らは民主案だけみて理解したつもりになってしまうから)しかしそれはさておき、民主党が本当に日本を中韓にうっぱらうほどひどい法案を通すことができるなら、日本が単一民族国家として成り立っているという幻想と、をきれいに打ち砕くのに役立つのじゃないか。それでようやく自分たちが「国際社会の一員」であることを理解するのではないか。

言っておくが、L.starは日本の立場を(自分の利益、ひいては全体の利益のために)高めたいのであり、売国したいのではない。世 界に広く目を向け、彼らと如何にうまくやるか、そのために何をすべきかというのを考えるべきであり、それを考えずに日本人の発想だけで無責任なことを言う のが売国行為なのだ。実際「国際的な観点から鑑みて、長期的に外国人参政権には反対すべき」という意見は未だ聞いていない。

確かに売国による犠牲は大変に大きかろう。しかし、今のまま国粋主義が進んで、日本が国際競争力を失って戦争だか虐殺だかに進行するよりはよほどましじゃないか。また、国粋主義な方々はおおむね中国に否定的だが(中国が危険だというのは完全にL.starにも理解できる)、国粋主義で眠りから覚めつつある大国中国に本当に勝てると思っているのか?どれだけ真剣に対峙するつもりだろうが、本気になったら日本単独で中国には勝てないだろう。勝つためには、日本という国の存在をもっと強め、仲間を増やし、対抗できる存在だと世界に知らしめ続ける必要がある。わかっていると思うが、日本の中に味方はこれ以上もういない。いるのは外になのだが。

だから、そういう広い視野の必要性と国粋主義の危険性が分からないのであれば、64年ぶりにがつんと思い知るしかないのだ。そのためなら、民主党の売国は比較的穏やかなものだ。彼らが一番忌み嫌うものが一番の薬になるというのは皮肉なものだ。

売国という単語で思考停止するのは、売国と同罪である。

前回のノートブック更新が2006/3のYonah(Core Duo)直後にT60を買って、はや3年半。嫁のVAIO Zもいい加減寿命が近づきつつあるので次のノートPCを物色。今のところデスクトップの7RC環境がかなりいいので問題は無いのだが、やはりノートは欲しいし。で、今回はSSDを絶対入れようと思って候補が以下

  • ThinkPad X301

  • ThinkPad X200(s)

  • VAIO typeZ

  • VAIO typeP

  • HP mini2140


このうち2つがAtom積んだUMPC/MIDセグメント、3つが軽めのデスクノート系。でまあ、いろいろ考えた末2140にしようかと思ったら、ここで偶然にもTypeZの割引キャンペーンが始まり、なんと予想の3-4万円引きで購入できることが判明。飛びつきましたとさ。

  • 初のx64マシン。ドライバが入らなかったりするが、全体としてはまあまあ互換

  • 案外狭くて小さい1600x900液晶。工夫しないと結構つらい。

  • SSDのスピードの恩恵は良くわからない。しかし友人宅のGbE経由でデータコピーしたときは、軽く40MB/sとか出たので、スピードは速いのだろう。pgbench on PG8.4を動かしてみたが、通常書き込みありが600前後(DL390+外部ストレージと同じレベル), -Sの検索のみが6000前後(そこらのLinuxマシンクラス)Linuxインストールして動かすとたぶん印象は変わるのだろう。

  • もっさりVista。デスクトップのVistaではそれほど強くは感じなかったのだが、SSDでさくさくしているであろう分、OSレベルで引っかかっていると思われる部分で大変に不快感を感じる。しかしたとえばChrome立ち上げると即効立ち上がったり。

  • チョコレートキーボードはノーコメント。なお、MSX(HB-55)以来2回目。またソニー。

  • 剛性は無いが、軽さはずば抜けている。某所で1005HAを見せてもらったが、あれは重量感がある一方で、かなり剛性は高いと感じた。同時に触る自分のマシンが実に軽かった。ただ、やわそうに感じるが強度的な問題はなさそう。

  • HDMIケーブルでモニタ(G2400W)をつないでみたが、なぜか認識しない。WUXGAでのVGA接続はぼやけて使い物にならない感満載。


とりあえずそんな感じで苦労しつつ、今のところ環境を移行するかどうかの思案中。

何度かトラックバックが入力できないというのを言われてみて、ふと古いURLを見ると出ている。謎だと思いつつ、あらためて見直すとコメント周りが文字化け。

文字化け部分を除けばうまくいきましたとさ。しかし何で壊れたのだろう。

気がついたら1ヶ月経ってしまった。一度帰国して、忙しい日々をすごした。そしたら3kg太った上にオランダに帰って旅行疲れですよw

とりあえず久々に何か書いてみようと思って軽い話題から。

民主党 最近何かで民主党が政権執ったら日本は終わりみたいな事を聞いたのですが、... - Yahoo!知恵袋.
実際にオランダでは、外国人参政権を導入して以来、イスラム人による集落地域が出来上がり、独立宣言をされて、国家分裂の危機に陥ってます。

もとねたは2chのコピペっぽいが、どうもL.starの知っているオランダと違うオランダがあるらしい。オランダはもともと非常に移民に寛容な政策を採ってきた国なのは事実だが、上で正しいのは以下の2点だけ。

  • 外国人参政権を導入

  • イスラム人による集落地域が出来上がり


正直、2点に相関関係すらないんじゃないかと思う。もちろん、イスラム人コミュニティの評判がオランダ人にとって悪いのはある程度事実ではあるのだが、それだけだ。独立宣言は聴いたことが無い。国家分裂とかなんのことだ。むしろワロンとフランドルで仲の悪い状態が続いているベルギーを混ぜているんじゃないのか。だとしたら移民政策は一切関係ない。

まあ何がいいたいかというと、上のコピペはたわごとだということだ。いやしいて言うなら、極右政党オランダ自由党の声明かもしれない。しかしそんなのは国民の総意でも現実でもない、ただのアジテーションだ。

ところで、L.starは日本の移民政策を大幅拡大すべきとかには正直あまり賛同しないが、必要な日本再構築のためにも、優秀な外国人にはもっと門戸を開くべきだ。そして彼らを安心させるためには居住外国人(永住権程度は必要だろう)に対する選挙権は必須だ、と考えている。実際、反イスラムの(移民政策に不寛容だろうと想像される)ウィルダースの自由党が票を伸ばした脅威に直面して、いろいろ考えることがあったのだ。

彼がもし与党になれば、優秀なオランダに貢献しているのも、テロリストや予備軍も、イスラム教徒であるだけで十把ひとからげに追い出されるかもしれない、というのは実際在住外国人として他人事には思えなかった。参政権が無ければ、彼らにはNoを発する権利すら与えられないのだ。そんな状況で永く住みたい、社会に貢献したいと思うだろうか?

また、俗に言うネトウヨたちは、今外国人参政権に反対する理由として在日韓国人たちをあげる。しかし、在日韓国人のせいであなたがた在日アメリカ人に選挙権をあげられません、という理由をいったい誰が理解するか?私なら言うだろう、「馬鹿にしているのか」と。そして、そういう人こそ今考えていることがL.starと同じような志の高いこと(と、まあ本人は信じている)であったとしても、次に「今度は中国人を排斥しようぜ」と言い出すのではないかと恐れている。当初の目的を忘れてしまって。これではナチの再来だ。

そんな日本は嫌だ。日本は鎖国で成功したのではない。単一民族としてだけで成功したというのなら、世界中にある日本車と日本電化製品は何だというのだ?勝手に買われただけか?もちろん売れたのには理由があったのだ。ちゃんと世界で何をすべきか考えた人がいるから売れているのだ。輸出国家である以上、世界をちゃんと見れる組織なくして成功はおぼつかない、という初歩的なことに気づいてほしいものだ。

だから私は、外国人参政権についてネトウヨの指摘するようなものを中心に現状多少(かなり、かな)問題があることを認めつつも「認めるべき」というべきだと思うのだ。そして認めるという論点に立って、問題を排除することが必要だ。さもないと目的を忘れてしまう。われわれ日本人全員が世界に対して広い目を持つ必要は無いのはもちろんだが、しかし広い目を持つ人が活躍する余地は間違いなく必要なのだ。それを踏まえるなら長期的な視点として「前に進む」という意思を持って、それを明示することこそ必要なのだ。さっきのアメリカ人に、の話なら「現在かくかくしかじかの問題があるので、それが解決してから」というなら、みんな納得するだろうし。

うっかり話が長くなってしまった。まあ最近のいろんな論点を見るにつけそんなことをつらつら考えてしまうのだ。もうちょっと軽くしたいと思わないでもないけど、やっぱりblogではちょっと無理かな。まあ、毎日更新の軽い記事をもうちょっと増やすのがいいかもしれないけど。

なお、これはL.star個人の考えであり、最近の選挙に関連して既存政党が同様の言葉をどう解釈しているのかは知らない。同じ単語を使うからといって、同様の考えをしているとは限らないので、その点はご自身で判断いただきたく。

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