2009年05月

Wolfram|Alphaという話題の検索エンジンがついに公開された。もっとも、公開された検索エンジンとしてはまだまだ大変にしょぼいもので、実生活にこれといったインパクトがあるわけではない。誰も今すぐこれでGoogleの代わりに何かを検索したりはしないだろう。

しかし、これは検索エンジン、SQLでいうところのselect * from contents where text like '%iwanttosearch';ではない。これは検索した結果を「集約」し、ひとつの情報に纏め上げる最初のエンジンだ。そういう意味では検索エンジンではないだろう。要約エンジンだ。この公開をもってして、Webの検索の時代は終わりを告げた。そして自動Q/Aの世界に移っていくだろう。

まあもっとも、Q/Aの時代がくることはずいぶん前から予見されていたといってよい。ひとつの問いに対して大量の答えを返して自分で調べろ、という検索エンジンは、問題解決としては大変使い勝手の悪いものである。そこで、それに対抗するための、いわゆる人力検索サイトのようなものは以前から少なくなかった。たとえば、それを集約する場所としては、Wikipediaは圧倒的に成功した部類だろう。あれは1つの単語に対して正しいかどうかという問題はおいておいても、(曖昧さ回避を除いては)1つの答えが返ってくる。だからWolfram|Alphaは、それを大きく自動化するシステム第1号を作ったというだけである。

実際には、裏ではかなり複雑な検索をやって自然言語を解釈し、蓄えたデータを解釈して引き出す、ということをしているだろう。だから実際にはこれをもって「自動化」というのはちょっとまだ厳しいかもしれない。しかし、賽は投げられた。おそらく、これから進化をしつつ、壁を越えていくだろう。まあ、まったく想像もつかない。たとえばすべての論文を調べて解析し、議論をつなげて集計し、現在の状況やTODOを並べあげるようなことまでしてしまうのだろうか。

ま作者のMr.Wolfram氏はファインマン博士をして「次UCでノーベル賞をとるのは彼だ」と言わしめた天才ということだ。正直、こんな暇があったらさっさとノーベル賞を取れといいたくなる。しかし、彼のような天才がコンピューターエンジニアリングに身を投じるのは、やはり時代の流れなのだろうか。

金融市場の崩壊を受けて、世の中はまた混沌としつつある。そんな中で、時代はさらに変化を加速しているようだ。無論これはチャンスなのだが、自分にとってどんなチャンスなのかきっちり考える必要はある。ただし、ゆっくり考えている暇は*ない*。

最近いろいろ考えることがあって更新が滞ってます。草稿だけは増えているんだけど。

唐突に思い立って、パーティションを切り直してWindows 7RCを入れてみた。日本語版。入れた先はC2Q9300なデスクトップ、32bit版。

なにしろ速い。インストールとか一瞬で終わる。いったい今までのVistaがなんだったのかというぐらい速い。別にもっさりとか感じていたわけじゃないが。たぶん、giant lockを追い出しているというのが利いているのだろう。かつてPostgreSQLもたどったように、ロックの細分化によって、近代的なマルチコアに対応できるOSとなりつつある。

たぶんVistaのもっさり感は、Longhorn開発時代に急激に進んだマルチコア化によってボトルネックが変わっていったことに対応できなかったこと、そしてそれが増えたりソースに対する最適化のメリットを上回っていたのだろう。

そして、スタンバイも復帰もきびきびとしている。このくらいきびきびだと、「デスクトップはスタンバイ運用が難しいから」という理由もあってブラウザ環境となっていたT60は一切立場がない。朝ちょっとPCを見るときでさえ、デスクトップを立ち上げたほうが早い。

個人的にはx64にしなかったことを若干後悔しているが、まあ満足。どのくらい満足かというと、3年間惰性で使ってきたメインブラウザがXPから7に即移動させたぐらい。こころなしか、Fx3のメモリ使用量すら非常に少ないように感じる。

時代はどんどん移り変わっていく。今の自分に満足せずどんどん挑戦していかないと、時代から取り残されてしまう。Vistaはたまたま使う必要がなかったが、おかげでずいぶんWiindowsから取り残されてしまっていたようだ。

T60はこのままだと嫁にそのまま払い下げだろうか(ただし、ブラウザの進む/戻るボタンだけは無効化しておかないと)そしてとりあえずネットブックを買おうか。

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